頭痛headache

頭痛について

頭痛について頭痛は脳出血や脳腫瘍など見逃すと命に関わる病態が注目されやすいですが、日常生活で繰り返し起きる「片頭痛」や「緊張型頭痛」等も多くの方の生活を不自由にしており、頭痛を軽減してお仕事、学業、趣味などに集中できるよう治療することが重要と当院では考えております。お仕事等を休んだり制限をかけざるを得ないことで、患者さん一人当たり年間数十万円程度の経済的損失がありうるとの報告もございます。もの忘れ外来を担当している藤堂医師は脳神経内科専門医として頭痛診療も行っておりますため、お困りの方は一度ご相談ください。

片頭痛と緊張型頭痛

「片頭痛」と「緊張型頭痛」はそれぞれ全人口の1割と2割程度の方がお持ちと考えられ、こめかみや額などの痛みが繰り返し起き、吐き気などを伴い、首や肩の凝りを伴うことがあります。それぞれ治療薬がありますので、まずは診察の上情報提供をさせていただきます。飲み薬を処方する他、片頭痛の新しい注射薬(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)にも対応可能です。

未成年の方について

未成年の方は、保護者の方とお越しください。原則、小児科と内科の境界とされる15歳以上に対応しておりますが、他の医療機関で処方されている薬を継続する場合は中学生から対応のご相談をさせていただきます。また、上記の片頭痛注射薬は18歳未満の方についてはデータが不十分で当院では使用を見合わせています(現在17歳以下の患者さんで治験中であり、データが公表されるのを待っています)が、必要時は頭痛の専門病院に紹介も可能であるため、診察のうえ、方針について相談させていただければと存じます。

頭痛コラム

頭痛”だけ診る”外来か?頭痛”も含めて診る”外来か?

全国で2~3割、もしくはそれ以上の方が、片頭痛や緊張型頭痛といった慢性的な頭痛に悩まされている可能性があり、頭痛は現代社会において解決すべき大きな問題となっています。新しい薬も開発され、最近は「頭痛外来」を標榜する医療機関も多く、頭痛に悩む方が気軽に受診されやすい環境になってきていると思います。

当院でも頭痛外来を開設するにあたって、自身は頭痛をお持ちの患者さんとどのように向き合うべきか、考えました。基本的に専門的な外来では、標的とする病気「だけ」に集中して診療することが多いと思われます。その方が時間を有効活用できますし、経験を蓄積することで高度な医療を提供できると思います。実際に、専門的な検査、重症度評価のための問診、専門的な投薬の説明、などしていると、時間がかなりタイトになると思います。

一方、自分の医師としての価値観は「脳神経内科医として、神経領域の病気をお持ちの患者さんの全身を診られる範囲で極力診る」であり、当院以外の勤務施設では「総合内科・脳神経内科」として診療しています。例えば脳の病気でかかりつけの方で、お腹が痛い、咳が出るなど専門外の症状でも、まずは医師として最低限の対応はしたいと思っており、当クリニックに入職したのも、院長の理念「お腹の中から全身を診る」に共感したことが理由の一つです。

そして、実際に頭痛持ちの患者さんで、脳以外の原因で頭痛が誘発されていることをしばしば経験しています。例えば、夜中に咳が出てうまく眠れず、翌朝に頭が重たい感じがする。胃がムカムカしてうまく飲食ができず、頭も痛くなってきた。寒さや塩分の摂りすぎで急に血圧が高くなり、頭が痛くてふらふらする。仕事や育児の負担が忙しく、頭痛がひどいが市販薬を何度も飲んで頑張っている。こういった患者さんが来られることは多いですし、全て飲み薬や点滴で改善しうる病状です。

そのため、当院の頭痛外来では完全予約制としてできる限りの時間をお取りし、時間はかかりますが頭痛「だけ」ではなく、背後に隠れていることがある全身の病状を突き止め、頭痛「も含めて診る」外来にしてゆきたいと考えております。そのためあまり診察枠は多くありませんが、頭痛にお困りの方や、頭痛以外にも気になる症状がある方は、一度受診いただければできる限りのことはさせていただきます。よろしくお願いいたします。

運転禁止ではない頭痛薬の選択〜頭痛外来Ver2.0〜

世の中の研究者や、熟練の医師は日々新しい治療法がないか、もっと良い診断方法や治療法がないかなどに人生を捧げており、それらの叡智の集合体が「診療ガイドライン」である、と自分は考えています。便秘、脳梗塞、喘息、心不全などなど多くの病気に診療ガイドラインが存在し、基本的に自分も含めた一般的な医師はガイドラインが推奨する診断や治療の方法を参考に診療を進めています。時に「マニュアル」など揶揄されることもありますが、前述の通り先人達が積み重ねてきた知見であり、むしろ「定石」や「必勝パターン」などの概念の方が近いと自身は考えており、良い結果を得られる可能性が一番高い方法を模索するための重要なツールと考えています。

さて、自分にとってのいわば「頭痛外来Ver1.0」は、原則的にガイドライン通りにすることでした。流石に「定石」だけあって、処方した薬で「良くなりました!」と笑顔になってくださった患者さんも少なからずおられ、先人達の教えに頭が下がる思いです。

一方、ガイドラインを参考に医学的に最適な治療を提供するだけでは、解決しがたい問題があることも経験することになりました。そのひとつが運転です。

薬にもよりますが、脳神経内科で処方する薬の添付文書には、「眠気などをきたすことがあるので、この薬を飲んでいる患者さんには、自動車の運転や危険な行動をさせないように注意すること」といった記載があることが多いです。日本語的に、副作用が無ければ運転しても良いのでは?とも一瞬考えますが、文脈的には「副作用が出ていなくても出るかもしれないから、とにかくこの薬を飲んでいる時点で運転はダメ」と捉えるべきと思います。

そこで、前述のガイドラインで推奨されている薬の多くが(実際に眠気などの副作用が医師の経験上多くなくても)添付文書上は運転禁止であることが問題となります。”頭痛があるものの生活のために運転せざるを得ない!”という患者さんは、どうすれば良いのでしょうか。

そこで当院ではその問題にも対応できるよう、運転禁止かどうかの観点から頭痛薬を分類しており、患者さんの生活に応じて処方をする方針としています。漢方薬であったり、ガイドラインではデータが多くはない薬も含まれることにはなり、何度か通院いただいて合う薬を探すことにもなるかと思われますが、その点はご協力をいただきたいです。ちなみに、2021年以降新しく登場した片頭痛の注射薬は現段階では運転禁止ではないため、有効な選択肢になりえます。ガイドラインに即した診療の次の段階として、運転など社会的な要素も加味した診療、すなわち「頭痛外来Ver2.0」を目指しております。ご興味のある方は一度ご連絡ください。

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