痔の原因とは
痔は、生活の中で知らず知らずのうちに影響を受けることが多い症状です。多くの方が「気になるけれど、どうしてなるのか分からない」と感じているかもしれません。痔の原因はさまざまで、生活習慣や食事、遺伝などが関与しています。ここでは、痔を引き起こす主な原因を詳しく解説します。
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生活習慣が引き起こす痔の原因
「長時間の座りっぱなし」や「運動不足」は、痔の原因の一つとして考えられます。
特にデスクワークや運転の時間が長いと、肛門周辺の血行が悪化し、圧力がかかりやすくなり、痔の症状を引き起こします。
食事や便秘が影響する痔の原因
不規則な食生活や、食物繊維が不足していると、便秘が原因で痔が悪化することがあります。便秘が続くと、排便時に力が入ってしまい、肛門周辺に強い圧力がかかります。この圧力が長期間続くと、痔ができやすくなります。
特に、辛い食べ物やアルコールの過剰摂取、そして水分不足が便秘を悪化させる要因です。
遺伝や年齢による原因
実は、痔には遺伝的な要因も関係していることがあります。
家族に痔を患っている人が多い場合、自分も痔を発症するリスクが高くなることがわかっています。
年齢を重ねることで、肛門周辺の筋肉が衰えたり、血行が悪くなったりすることも、痔を引き起こす原因となります。
痔を放置するリスクについて
悪化による日常生活への支障
痔の症状は、最初は軽い痛みやかゆみ、出血などで済むことがありますが、放置しているとその症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。
例えば、排便時の痛みがひどくなることで、食事をしたり、旅行を楽しんだりといった日常的な活動にも不安を感じることになるでしょう。
さらに、進行した痔では、出血や膨らみがひどくなり、歩くことや座ることすらも困難になる場合があります。
合併症のリスク
痔を放置することで、合併症が発生する可能性があります。
痔核が大きくなると、肛門周辺の血管が破れて血栓が形成されることがあります。
これにより激しい痛みや腫れを引き起こすだけでなく、感染症が発生することもあります。
血栓ができると、痛みが耐え難くなるだけでなく、治療が長引くことになります。
また、痔の悪化が続くと、排便の際に肛門を無理に押さえつけることが習慣化し、周辺組織に負担がかかり、肛門の裂け目(裂肛)や膿の溜まり(膿瘍)など、さらなる健康問題に繋がります。
合併症が進行すると、治療がより複雑になり、治癒に時間がかかるだけでなく、生活の質が大きく低下します。
大腸がんのリスク
痔そのものが大腸がんを引き起こすわけではありませんが、痔の症状が重なることで、大腸がんの初期症状が見逃されることがあります。
例えば、血便や腹部の違和感は痔と共通する症状の一つですが、放置すると大腸がんの進行を見逃すことにも繋がりかねません。
また、痔を軽視し続けることで、肛門周辺の健康問題を放置することになり、最終的に大腸がんに繋がる危険性を高めることもあります。
痔の治療と共に、大腸がんの早期発見にもつながるため、症状に気づいたらすぐに受診することが大切です。
日常でできる痔の予防方法
食生活
食生活は、痔の予防において非常に重要な要素の一つです。
特に便秘は痔を悪化させる原因の一つで、便秘を解消するためには食物繊維が豊富な食事が欠かせません。
毎日の食事に野菜や果物、全粒穀物などを意識的に取り入れ、便通をスムーズに保ちましょう。
また、十分な水分摂取も大切です。
水分不足になると便が硬くなり、排便時に肛門に強い圧力がかかり、痔を引き起こす原因となります。
1日に1.5リットル以上の水を飲むよう心がけると、便秘の予防に繋がります。
脂っこい食事や刺激物(辛い食べ物やアルコール)は、痔を悪化させることがあるため、控えめにして、消化に良いものを摂るように心がけましょう。
生活習慣
生活習慣の改善も、痔の予防に大きく関わります。長時間座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢を続けることは、肛門周辺の血行を悪化させ、痔を引き起こす原因となります。特にデスクワークが多い方は、1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かすことが大切です。ストレッチやウォーキングを取り入れることで、血行が促進され、痔の予防に繋がります。
また、適度な運動は、便秘の解消にも効果的です。ウォーキングやジョギング、ヨガなどを習慣化することで、便通が良くなり、痔のリスクを減らすことができます。特に運動不足が気になる方は、無理なくできる運動から始めて、少しずつ習慣にしていきましょう。
定期健診
痔は初期の段階では自覚症状が少ないため、早期に発見することが重要です。
定期的に健康診断を受けることで、痔だけでなく、他の健康問題も早期に発見することができます。
また、痔の症状が出る前に、定期的な肛門の検査を受けることで、痔の予防に繋がります。
痔の検査方法
内視鏡検査
肛門鏡を使用して、肛門内を詳細に確認することがあります。場合によっては、大腸内視鏡で大腸や直腸の健康状態を調べることもあります。
また当院ではAI内視鏡を用いて、大腸の病変をひとつでも多く適切に治療することを心がけています。
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直腸検査
指を使って肛門内を確認し、内痔核の大きさや腫瘍の有無をチェックします。
便秘や出血が続く場合に行われます。
便潜血検査
便に血液が含まれていないか調べ、痔以外の病気の可能性も確認します。
痔でお悩みの方は当院へ
痔は、非常に多くの方が抱える悩みですが、なかなか人に相談しづらいため、放置してしまうことも多い症状です。しかし、痔は早期に適切な治療を受けることで、症状を改善できる病気です。
日本消化器病学会専門医および日本消化器内視鏡専門医の資格と豊富な経験を活かし、治療中の不安や痛みを最小限に抑え、患者様が安心して治療を受けられるよう配慮しています。
また、診察や治療内容についても、丁寧に説明し、患者様が納得した上で進めていきますので、初めての方でもご安心ください。