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パーキンソン病及び他の神経難病parkinson
認知症以外に上記の病気も経過次第では対応可能であるため、簡潔に記載させていただきます。
パーキンソン病は、脳の神経細胞が放出するドパミン(テレビなどではドーパミンと呼称されることもあります)という物質が欠乏することにより、主に動きを司る脳の部位がうまく働けなくなり、手足のふるえ、表情が乏しくなる、歩きにくくなり転ぶなどの症状が出現します。また、個人差はありますがドパミンを出す細胞以外も障害され、認知機能を司る神経細胞が障害されると認知症となり、「認知症」の項目でご説明したレビー小体型認知症と同様の病状になりえます。また、「腸脳相関」の代表的な病気の一つであり、腸に病的なタンパク質(αシヌクレインと言います)が蓄積し、前兆として便秘が起こり、その病的タンパクが脳に到達してパーキンソン病を発病する機序が研究にて示されています。
同様の機序が嗅覚を司る神経においても起こる場合があり、においが分かりにくいという症状が前兆の場合もあります。治療は、根治療法は開業時点で確立していませんが、神経難病の中では最も研究が進んでいる病気と考えられ、ドパミンの補充の他、神経を保護する薬などを処方する場合があります。
他の神経難病として、筋力が低下し人工呼吸器など必要になりうる「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」、パーキンソン病と類似した症状を示しうる「進行性核上性麻痺(PSP)」「多系統萎縮症(MSA)」、免疫異常により神経が障害される「慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)」、「多発性硬化症」「視神経脊髄炎」などがあります。
これらの病気は私が過去に所属していたような脳・神経系の専門施設で診断がなされるべきであり、また急な悪化や肺炎などの合併症がありうるため入院可能な病院と協働しながら診療する必要があると考えます。そのため、当院だけで診療を完結することは難しい場合もありますが、上記の病気が心配な方や、他の医療機関で診断されたものの交通アクセスの問題などで当院に通院を希望される方は、可能であればかかりつけ医の紹介状をご持参のうえ、一度当院を受診ください。可能な範囲にはなりますが、対応できるよう努力いたします。